まどどブログ

普通の二十代前半男性が、夢を見るか、破滅するか。そんな人生ドキドキギャンブルの行く末を提供しています。

2022.01.28(残63日) 口喧嘩の常勝法について

2022.01.28

あと63日

 

 夜更かしと二度寝と昼寝と運動不足は大敵である。脳が腐る。

 

  • 口喧嘩の常勝手段

 口喧嘩などという非生産の最たるものに巻き込まれたとする。私はそれについて、常勝手段を知っている。それを今回は記す。

 

  • 口喧嘩の根本的な要因

 そもそも口喧嘩はなぜ発生するのか。相手と真摯に意見を交わし、止揚を達成したいのであれば、議論のように冷静なものが催されることであろう。それが口喧嘩になってしまうのは何故か。それは、口喧嘩の目的が、相手よりも優位に立つことであるから。

 思い返してほしい。口喧嘩の無益さを。例えば兄弟との口喧嘩。自分は歌番組を見たいのに、兄はスポーツ番組を見たい。しかしテレビは一台しかない。それで対立が生まれる。そして、大抵の子供が集中するのは、「どちらがそのテレビを占領するか」ということ。口喧嘩をして、しょうもない言い争いに末に、大抵兄に負けて、自分はしくしく片隅に閉じこもる。

 しかし、そもそも、そんな他者を排斥するような行為に出ずとも、いくらでも解決手段はある。一つは、片方を録画に回す。この場合、スポーツ番組は結果のネタバレが極めて迅速だし、その過程における興奮が何より肝要である部分もあるので、歌番組を録画に回すことになろう。あるいは、歌番組で拝みたい歌手など限られているのだから、その時間だけ兄に譲ってもらう。もはや解決策が見出だせないようであれば、親の仲介を要請する。このように、合理的な判断を伴うのが議論であり、これには両者の安寧という潜在的欲求が介在しているように思われる。

 そう、口喧嘩とは、解決策の合理的な選択法ではない。単なる、自身の絶対的優位性を確立しようとするものに過ぎない。

 

  • 人間に対して

 では、これを踏まえて、どのようにすべきか。まず、理性を少なからず愛する人間に対して、二つ考えられる。

 一つは、他者よりも圧倒的に優れた論理を展開すること。そもそも優位であると示して仕舞えば良い。豊富な知識と、秀悦な表現と、無謬の理論を。これによって、相手の戦意を奪うのである。絶対に優位に立つことなど出来ない、そう知らしめてやるのだ。

 相手の矛盾を導き出すのもまた良い。相手が知らないであろう、何か問いを出す。それに相手が答える。それが間違っていた場合は、容赦なく攻撃する。例え話を出しにくいのだが、それもまた一興である。

 しかし、世の中に優れた人間など腐るほど在る。自身が優位に立つことの出来ない場合、どのようにすればよいか。相手の前提を崩すのである。

 経験上、口喧嘩というものは、必ず何か相手の前提としているものが存在している。例えば「こんな不真面目で良いと思っているのか」とか「そんな薄情にしていいと思っているの」とか。その前提を否定する。この場合であれば「はい」と言ってしまう。そうすれば、相手はもはや言葉を失う。前提を崩されてしまっては、己の中で固めておいたものもまた危うくなってしまうから。それもまた、勝利である。相手は決して自らに対して優位に立っていないのだから。

 勝利とは、あくまで相対的なものに他ならない。相手を言い負かす必要など無い。相手を優位に立たせなければ、その時点で相手の目論見は失敗しており、自身の立場は勝っているので、勝利である。

 なお、よくある「論理のすり替え」もこれに該当する。相手の前提としているものを崩すのが、相手の論への動揺を与えるという観点から、とかく有効である。

 

  • 化け物に対して

 上記はあくまで人間に対して、である。世の中、人間ばかりではない。人間の皮を被った化け物も在る。そういうのは、もはや何を言っているのかもわからず、感情的に、支離滅裂に捲し立てる。これに対してはどうすればよいか。無論、相手の主張を受容するのも手段の一つである。しかし、それでは相手が優位に立ってしまう。勝利とは呼べない。勝利を目指す、即ち相手を優位に立たせないのであれば、もはやすべきことは一つ。こちらも支離滅裂になる他ない。

 理性の通じない相手に理性をもって対処しても無駄である。『パプリカ』という映画をご存じであろうか。あれに登場するような台詞を吐きかけてあげるのである。助詞と動詞と副詞と、すべて雑多にして送る。赤ん坊には、相手の泣くさまを見て、ふと自身に投影して泣き止む、ということがあるらしい。どこかで読んだことがある。もしかしたら、相手もそれで落ち着きを取り戻してくれるかもしれない。

 落ち着けば勝利である。そのような化け物、理性の局面で我々に適うはずもないのだから。

 

 このようなものであろうか。箇条書きで簡潔に述べれば、以下の通りである。

・相手を圧倒する話術

・前提へのクーデター

・論の崩壊

 これに依れば、常勝は間違いない。たぶん。その勝利が良い効果をもたらすかは、わからない。まず嫌われると思う。口喧嘩など避けたほうが良い。お、ちょうど2022文字になりそう。なった。