2022.04.13
未練ばかりだ。私の人生、未練ばかり。
大学受験で手を抜いたこと。サークルになど所属してしまったこと。鬱で二年間を無駄にしたこと。就職してしまったこと。本を読んでこなかったこと。作品に触れてこなかったこと。未練ばかりだ。俺の人生。
甘酸っぱい恋がしたかった。俺だって、誰か大事にし合える人が欲しかった。孤独は好きだが、決して最適なわけではない。命に換えてでも守り通したい、そういう存在が隣に居たならば、そのほかに幸せなことなど何一つないだろう。そういう、馬鹿みたいに甘酸っぱい恋がしたかった。
私が経験したのは、最悪な恋だった。同性に恋をして、回りくどく接近して、不気味がられて、関係そのものが破綻する。まるで悲劇のテンプレートそのものであるかのような恋を、私はしてしまった。たった一人、愛した者に、私は最悪の恋をしてしまったのだ。その結果、彼の姿は未来永劫、失われた。
そして今でも、彼のことを忘れられない。あの温もりを。あの笑顔を。あの匂いを。
ああ、未練ばかり。未練ばかりだ。このままでは、きっと成仏できない。きっと現世をさまよう亡霊と化すだろう。亡霊と化して、あらゆる呪いを振りまくだろう。
ああ、それでもいいかもしれない。
どうせ死後の世界など、無いだろうけど。