2022.05.17
素朴なことを忘れていた。私はこの一ヶ月と少し、何を考えていたんだろう。
簡単なことだ。私はいま、五日間、ただひたすら耐え忍んでいる。虚無に時間を溶かして、強烈な睡魔と抗い続けて、何の楽しみもなく、何の面白みもなく、何の感動も何の喜びも無く、ただ五日間に耐えている。そして休日を得る。たった二日間の自由を。たった二日間の快楽を。
それがおかしい。それがおかしいのだ。私は何を考えているんだ。俺はこんな生き方のために、生まれ落ちたとでも言うのか、冗談じゃない。一週間は七日あるんだぞ。そのうち五日を、71%を捨てていいと思っているのか。
冗談じゃない。人生は短いというのに、その短い人生のさらに71%も、私は捨てるのか。捨てていいと考えるのか。そんなはずないだろう。
一週間は七日だ。七日は七日、すべて輝いていなければならない。七日とも、満天の星空に浮かぶ一つ一つの星たちでなければならない。人生は短いんだから。無駄に消費されていい日なんて一日もない。星たちがそれ単体で美しいように、一日一日、美しくなければ。
中高時代のように。
こんな簡単なことを私は忘れていた。いや、労働をあまりに憎むあまり、労働を念頭に置いて議論を進めていたのだ。私の悪い癖だ。敵を見つけると、その敵を徹底的に糾弾したくてたまらない。そして足元がおろそかになる。
簡単じゃないか。五日間を犠牲にするな。すべての日々は、独立して生きていていいんだ。
あゝ、考えれば考えるほどサラリーマンの私という像は遠ざかっていく。
そもそも移住でもすべきかしら。いや、でも人間嫌いに地方暮らしなんて成り立つのかしら。
難しい。