2022.06.17
私はいま感心している。睡眠不足とは、かくも肉体に災禍をもたらすのか、と。
そもそも手先が定まらない。例えばキーボードを打つとして、容易に隣のものと打ち間違える。カーソルが合わない。
焦点も定まらない。いまこうして書いている私だが、文字には霧がかかっている。おおよその形から整合性を判断している。
瞼がギロチンと化す。ギロチンというのは何も誇張ではない。自らの意思と関わらず、勢いよく上瞼の刃が下ろされるのである。鉄槌、ですらあるのかもしれない。
記憶が滲む。特に寝起き。寝起きのことを一切覚えていない。今日の朝など、ふと我に帰ったところ、なんとメロンパンが机上一帯に散り乱れていた。食べたかすらも覚えず、ただ残骸の爆撃の激しさを物語っている資料が眼前に広がるのみ。そして、基本的な記憶力も極めて低下する。前日の話を一切覚えていない、というように。
そして何より、思考力の鈍化。靄のかかったよう、という可愛いものではない。鉄のカーテンが心にも敷設されたのだ。思考は分断され、活動すらままならず、ただ息を潜めて心の外へと逃げ出してしまう。
睡眠不足とはかくも恐ろしいものか。平均習間睡眠時間3.5hの私が証言する。
睡眠不足は万物の敵である。