まどどブログ

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2022.07.13 無常について

2022.07.13

 

 この世は無常である。あらゆることが移ろうこの現世の中で、たった一つの不変の真理。無常。

 例えば、この動画。

 

youtu.be

 

 今上帝の御即位について振り返ってみようと、何気なく再生したこの動画にも、この動画ですら、無常は色濃く示されている。たった三年前であるというのに、この現在と何もかも、変わってしまった。

 

 我が国の首相に誘われ席に着く、アウン・サン・スー・チー。三年前、彼女はミャンマーの英雄であった。ミャンマー民主化を平和裏に実現し、残る軍部の支配を如何にして除去すべきか、そして国内の諸問題にどのように対処すべきか、彼女の展望が待たれるところであった。

 現在は、言うまでもない。クーデターにより投獄され、数多の罪を被っている。

 我が国の首相と笑顔で握手を交わす、ウォロディミル・ゼレンスキー。三年前、彼は日本において確実に無名であった。この動画において、彼はたった二秒程度しか紹介されていない。そしてウクライナという国家もまた、日本において知名度は必ずしも高くないものであっただろう。誰も彼のことを、そして彼の国家を知らなかった。

 現在は、言うまでもない。日本国民の誰もが知る国家・ウクライナを防衛する、日本国民の誰もが知る戦時の英雄である。

 次々要人と会談する我が国の首相、安倍晋三。三年前、彼は愛され、恨まれていた。数多くの疑惑を抱え、数多くの議論をもたらした。その反面で選挙はめっぽう強く、安定した政権運営を実施していた。歴代最長政権は目前というところまで迫っていた。

 現在は、言うまでもない。銃によって殺された。

 

 この世は無常である。三年前、期待と不安に溢れていた女史は、もはや表舞台に立つこともない。三年前、平和の中の一大統領であった男性は、もはや戦禍から逃れることもない。三年前、平然と政治に邁進していた者は、もはや息をすることもない。

 ああ、残念だ。先人もまた、同じように寂寞を湛えていたのだろうか。