2022.07.28
最近極めて大きく人気を誇っている『おんねこ』について、普段ブームに逃れてしまうことの多い私もこの度は、と一念発起し拝見した。
あの漫画、確かに臙脂に光る赤ワインを薄めてコーラを追加してメントスを加えて着色して鮮赤に変えたような味わいに包まれる。そして、あれは他山の石としなければならない。多くの者は嘲笑のための消費物として捉えているようだが、それで完結させるべきではない。あれには、私のように自意識が膨れ上がって創作に手を出した者の陥りやすい罠の跡が、至るところに見られる。
ここで、今一度私なりに創作において留意すべき点を箇条としておきたい。
- 自然であるように
創作物はどこまでも自然でなければならない。そこに不自然なものが在ってはならない。作品は作品として完結しなければならず、現実世界に干渉を求めるべきではない。
これは精神論ではない。読者の視点から考えて、不自然なものは受け入れられない。これは作品の拒絶を意味する。拒絶された作品が日の目を見ることは無い——余程滑稽でない限り。故に不自然な箇所は除かなければならない。
例えば、
・取ってつけたような名言
…「お前は誰だ?」という状況で「チャンスは掴んだだけじゃ何も変わらない」と言われても困る。お前は誰だ?
・知る由もないことを認識している事態(「サリーとアン課題」に正解できないような状況)
…家の中の出来事を、なぜたった今到着した者が知っている? 金田一少年を全否定か?
・左右の違い(直前に限らず以前の場面と異なる手で持っている)
など。
そして対策。キャラクター目線での物語の構築が良い。具体的にいえば、徹底した設定の構築である。登場人物はどのような性格で、どのような癖があって、人物同士の関係はどのようになっていて、登場人物から世界はどのように見えているか。これを徹底して書き上げることによって、ある程度の不自然は防げる。
それ以上のことは、現状で分からない。まだ模索段階にある。
- 筆者の色で塗るな
筆者の色を出すな。作品に筆者を介在させるな。これは精神論であるが、「不自然な作品」と密接に関連するので、常に意識していなければならない。例えば、以下のようなもの。
・筆者の主張
…論外。唐突に主張が入ってきては興醒めである。対策。価値観の合うようなキャラクターを設定して、場面が進んだときにそれに言わせるのであれば良い。
・筆者の性癖や都合
…「こうしたほうが後々楽だな〜」とか「こういうキャラ出したいな〜」とか「こういう表現使ってみたいな〜」とかいうもの。良し悪しだが、不自然に陥る可能性も高い。対策。少なくとも、筆者の独断は避けるべきである。設定資料やこれまでの原稿など、これまで自身の中で組み立てた流れを見返して、流れに逆らうものでなければ採用するのが良いだろうし、そうでなければ泣く泣く却下すべきであるように思う。潮流と相談せよ。
余談。この点でメイドインアビスは優れている。明らかに性癖が滲み出ているにも関わらず、読者を納得させてしまう世界観が用意されている。あれ、性癖が先にあって、世界観を合わせにいった部分も多いと思う。子供が憧れて未知の世界へ冒険に出る、という設定も、本編を読んでいると、リコとレグとを散々な目に遭わせるための言い訳である気がしてくる。そもそも幼子を縛り上げる謎の風習も、大方性癖から来ているのだろう。ボンドルドも、ナナチとレグをあっちゃこっちゃするために居るのではないだろうか。
- 構想を緻密に
構想は緻密に為すべきである。そもそも不安や疑問が生じるのは構想が甘いから。徹底的に描きあげる。それが自然な作品への第一歩であろう。
あとなんかあったかな。忘れてしまった。あったら追加する。
俺もはやくケモキャラをあっちゃこっちゃさせたいわね。