まどどブログ

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2022.08.21 文化と血について

2022.08.21

 

  • 一等星たるBTS

 知れば知るほど、思わされる。BTSは偉大だ。

 顔は綺麗。歌は整然。踊りは華麗。個性は濃い。しかも自らの手で詞を練り、曲を作ってしまう。このアイドルグループが、何故世界を席巻したか。何故日本のアイドルは天下布武を実現できないか。その答えが、この短い文章の中で現れている。

 ところで、彼らは努力なしに、これらの美点を手に入れたか。無論、否。彼らは訓練生として芸能事務所に入り、少年時代のすべてを犠牲にした。我々が謳歌してきた青春をすべて賭して、レッスンに当て、困窮に喘ぎなから、何年も何年も耐え続けて。その日々の果てに、彼らの果実は在る。SUGAの歩んだ道など、あまりに痛ましい。

 それでも彼らは恵まれている。吐血の分だけ成功を掴んだのだから。残酷なことであるが、彼らのように果実を得た例はごく僅かである。訓練生のすべてがそもそもデビューを果たせるとは限らない。天下を夢見て訓練生入りし、青春を贄と成した少年の多くは、天下の舞台に立つことも無いまま夢を破ることとなる。夢に破れた彼らの生きる道は、一体どのようなものか。

 このような残酷な事実の上に立つのがBTSであり、彼らの楽曲である。多くの屍の上に、優れたものは立つ。

 

  • 文化は血を飲せよ

 思えば文化とは、そのようなものであった。多くの血を吸って、文化は肥えていく。

 そもそも近代以前の文化とは、平民の搾取の上に成り立っているものである。華美で荘厳な中古日本の王朝文化とてその指摘を免れない。源氏物語の優雅な移ろいの後ろには、必ず搾取され生死すら危うい平民が隠れている。中世ヨーロッパや古代アメリカ、中華も同様である。平民の血が搾取され死にゆくのを背に、上流階級は様々なものを数多く生み出す。そして、それらはおしなべて美しい。失われた輝きが、そこには在る。

 文化とはこのようなものである。文化は、血を多く吸ってこそ、美しき粉黛を施されるのである。

 

 少なくとも私はそのように思っている。何も立証するものは無いが、現代日本の文化を考えたとき、大きく離れているものではないような気もしている。残念ながら。