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2022.09.10 皇位継承問題について① / 女系継承の否定について

2022.09.10

 

 昨日のエリザベス二世の崩御によって、私は皇位継承について恐るべき妙案を考えついた。ここ数日は、それについて述べたい。

 

 なお、ここでは女系継承という言葉を「一度でも女系によって皇位の継承されること」という意味で使用している。女系は女系で在り続けないが、以下において述べるように、一回でも女系継承が実現して仕舞えば、先例の否定された系統が続くことと同義になる。故に、女系継承はこのような定義とするのが望ましい。

 

  • 女系継承:皇統の否定

 私は皇統について、男系継承の他には有り得ないと考える。何故か。

 まず、女系継承の否定を試みたい。

 はじめに断っておくが、私は明治政府の狂信者ではない。歴史を軽視し、やれ現人神だ、御真影だ、などと皇統を侮辱した政体は徹底的に糾弾されるべきであり、その軸で皇室を論ずる者も同様にして否定されるべきである。皇室は少なくとも一千五百年の歴史を持つ。皇室を見るならば、一千五百年を以て見なければならない。

 そして歴史に立って見れば、女系継承の否定される理由は明白で、皇室の権威は途方も無い先例によってのみ形成されているためである。

 多くのブランドが、その品質そのものよりもそれまでの実績と信頼によって形成されているように、天皇が「天皇」として八十島をしろしめすのは、断続的な王朝に付与されている実績と信頼という先例に依る。具体的には、その血統が代々——少なくとも継体天皇の御代から——絶え間なく受け継がれているという実績と、それによって一定の安定がもたらされているという信頼に基づいている。この先例は、伝統と言い換えることも出来よう。

 ここで女系継承を一回でも認めて仕舞えば、その正統性は明らかに崩れる。先例が否定されるのだから。この一千五百年、女系継承は選択肢として排除され続け、皇統は安定して継承された。その、一千五百年に渡って排除され続けた選択肢を敢えて採るというのは即ち先例の否定であり、これまでの正統性の破棄を意味する。天皇たらしめている正統性を破棄することは、明らかにリスクである。

 

 これが、他に皇位継承の可能な方がいらっしゃらず、皇統保持のため已むを得ず選択したものであれば、まだ検討の余地がある。が、現状ではそうではない。旧宮家の方々がいらっしゃる。

 彼らは男系であり、皇位継承における正統性に足りる方々である。しかも幸運なことに、皇籍復帰による即位には先例がある。皇室は先例の集大成であるので、そのような先例がある以上、「臣籍だから」という理由だけで皇位継承から排除することは出来ない。

 このことが何を意味するか。正統性の移動である。仮に女系継承が一定の支持を集めたとしても、歴史上の正統性は依然、旧宮家に残る。皇位に能う者が臣籍のまま、能わぬ者が帝となる。さながら道鏡を見ているような気分ではないか。宇佐八幡神託事件のように、動乱の素となりはしないか?

 「現代で皇位を巡る闘争など起こるはずもない」という指摘も予想される。あるいは「旧宮家皇位継承権放棄の宣言を出させれば良い」とか。このような反駁を試みる者は自らの不明を恥ずべきである。

 まず、現代で皇位を巡る闘争が起こらないという確証はどこにあるのか。東欧で二十世紀初頭のような戦争が起こっているのを忘れたか。リスクはどれにでもあるし、仮にそれが実現した場合、混乱は我々の予想を遥かに超える。

 次に、例え旧宮家皇位継承権を放棄したとして、女系天皇に正統性が付与されるわけではない。ただ「皇位簒奪の可能性は低下した」と言う他に無い。

 時代背景が異なったとして、皇位継承において男系継承が保持され続けた以上、その重要性は変わらない。現にクーデターや皇位簒奪の起こる確率が有るかどうか、が問題なのではない。伝統として女系が排除されてきた、という事実そのものが問題なのだ。男系であることこそが、先例に依ってのみ正統性を得ている天皇の根幹を成す。その根幹の失われた天皇と、その根幹を保持している臣民とが併存する状況は、果たして安定していると言えようか。無論、言えない。言うまでもない。これは不安定の象徴である。旧宮家が存続している以上、この不安定は未来永劫続き、女系継承の皇統は未来永劫——少なくとも一千五百年を数えるまで——不安定の象徴である。あまつちを平らげるべき君主が不安定の象徴であるならば、誰が社会を平穏へと導こうか?

 欧米諸国の王朝とは訳が違う。我々は良くも悪くも、地上唯一、万世一系の王朝を持つ。万世一系であるからこそ、先例は膨らみ続け、耐え難い重みを持ってしまった。それを裏切るのはもはや不可能に近い。男系が存続しているのであれば、尚更。

 

  • 男系継承の他に選択肢はあるか?

 上記では女系継承の否定を試みた。では、男系継承の他に選択肢は無いのか。一つ有る。

 廃帝である。

 男系継承が維持されないのであれば天皇としての正統性は失われるので、天皇、そして皇室は速やかに廃するべきである。正統性の無い君主を存続させる意味はないし、天命も恐らくそれを望まない。故に、仮に国民が男系継承を——実現可能であるにも関わらず——拒絶するのであれば、共和制への移行を考えるのが筋である。正統性の無い君主に国費を投じる必要は無い。

 

 しかし残念なことに、女系継承は容認されつつある。多くの国民が、皇室を欧米諸国と同列に捉えていることが起因しているのであろう。そして、男系継承に拘る者は頑固な右翼とも見なされている。多くは自由民主党の代議士をはじめとした明治政府狂信者の所為であると思うが、それを嘆いても始まらない。男系継承は困難に直面していると言わざるを得ない。

 明日は現状について整理し、男系継承存続における課題を述べたい。