まどどブログ

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2022.09.22 ロシアの国外逃亡トレンドについて

2022.09.22

 

  • 国外逃亡トレンドは国家の命を奪うか?

 ロシアから国外へ脱出を図るものが多いという。現に、航空機の価格はここ一週間、明らかに高騰している。例えば成田-ホノルル便のエコノミーが4人で45万円程度なのに対して、それより明らかに距離の短いであろうモスクワ-トビリシ便は同様の条件で55万-60万円を数えている。トビリシ便に限らず、コーカサス・バルカン諸国の便は平時の五倍程度にまで値上がりを見せている。また一昨日は通常の価格帯であったところ、昨日になって極端な値上がりを見せた、という情報から、昨日の発表が何らかの影響を及ぼしている可能性が考えられる。また同様にロシアの鉄道も相当の需要を見込んでいる、ジョージア国境で渋滞が発生している、といった情報もあるので、国外への脱出を考える者が比較的多く居ることは事実として認定しても良いように思われる。

 ただし、ロシア国民が一億人以上も存在することを考えれば、それが速やかにロシアの国力低下に繋がるとは言い難い。例え国外に百万人逃亡したとしても、それは率に直せば一パーセントでしかない。無論、一パーセントでも打撃には成りうるものの、国家としての致命傷、とまでは言えない。それは大日本帝国が証明している。この脱出劇をお祭り騒ぎとして捉えるべきではなく、依然として苛烈な世界情勢の続くことは覚悟すべきである。

 それはさておき、現状でロシア人が国外逃亡を図るとして、私は一点懸念していることがある。北方領土からの侵入である。

 

  • 「二重国内領土」は救民の女神となるか?

 他国の状況は分からないものの、北方領土はロシアと日本とが主権を争う土地である。ロシアは無論、ロシア領として認識しているし、日本は日本固有の領土であると主張している。故に、ロシアにとっても、日本にとっても、北方領土は「国内領土」として認識されることとなる。そして現に、北方領土からの亡命は非常に複雑な問題として取り扱われることも知られている。例えば昨年、国後島から泳いで渡った亡命者について、あくまで日本の公的な立場では「国内移動」であることから、その亡命の扱いについて難儀したらしい。当然ながら解釈はどうとでもなるのであろうが、少なくとも北方領土から日本へ渡ることが公的に「国内移動」であることは変わりない。

 そして現状、ロシア国民が直接他国へ逃亡することは困難である。少なくとも、現状のロシアで部分的にも動員令が発出されている以上、兵役対象の男性が気軽に海外旅行を楽しめるとは考え難い。表面上は禁止されてなくとも、ロシアなので、どのような手段で妨害を試みるか分からない。直接の他国への逃亡は大きなリスクが伴うことが予想される。現に当局は海外への移動を希望しないとしているし、兵役対象の男性は航空券を取ることが困難になっているという情報すらある。政権にとって、ロシア国民の海外への移動は明らかに望ましい行動ではない。

 ここで私は考えた。国内移動の二重連鎖であればどうか、と。例えば、サンクトペテルブルクやモスクワから航空機や鉄道等を乗り継ぎ、国後島まで到達する。そして国後島から、漁師や国境警備隊に金を握らせ、あるいは泳いで、野付半島羅臼町標津町に渡る。これが実現すれば、なんと一度も国境を跨ぐこと無くロシアから日本へと渡ることが出来る。これが国内移動の二重連鎖である。北方領土という二重国内領土を利用することで、直接的な海外逃亡を避けつつ他国への脱出を実現させる。

 無論、これが容易に実現するとは考えない。北方領土には相応の兵力が配備されているし、第一、国後島から逃亡する手段が確立できる保証もない。しかし論理的には可能である。また、ウクライナへの侵攻後、予想だにしない出来事があまりに多く起こっている。もはや何がどのような順序で発生したとしても不思議ではない。いくら可能性が低くとも、標津にロシア人の溢れる光景もまた完全には否定できないのである。モスクワの金持ちがクナシルの貧乏漁師を金で釣ることなど、難しくもないだろうから。

 

  • 余談:ロシア難民の可能性

 それにしても、ロシア難民——戦火に遭ったわけではないが、国外逃亡を図らなければならない時点で事実上の難民である——の可能性を真実味を持って考えなければならない時代が到来するとは、俄に信じ難い。朝鮮難民については古くから語られてきたが、まさかロシアという安定した大国が、しかもたった半年で、不穏な空気漂う国家と成り果ててしまうとは。私の認知バイアスであると信じたい。

 ところで、ベトナム戦争イラク戦争の際、アメリカはどうだったのだろうか。