まどどブログ

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2022.10.07 ガーシーと労働について

2022.10.07

 

  • ガーシーは「働かない」政治家

 ガーシー、という議員先生が居る。何でも、国会議員に課せられている登院の義務を拒否し、問題になっているらしい。正直、議員先生となられるまで彼のことを知らなかったし、彼が著名である理由も未だ存じ上げていないのだが、それでも私はたった一つの観点で、彼の行動を支持したい。「働かない」という観点である。

 彼は言うまでもなく、議員としての義務を果たしていない。それは即ち国会議員としての労働を放棄しているということになる。この彼の行動を私は残念ながら、否定できない。私にとって、労働への憎悪は正義や倫理観を遥かに超越するものであり、働かなくて済むであれば、文字通り——私の生命と尊厳の保全される限り——何をしても構わない。この意味で彼の行動は私の信念である「働かない」を体現したようなものであり、この観点では彼を否定する材料はどこにも見当たらない。

 むしろ彼の行動は称えられるべきことであるとさえ思われる。彼は「国会議員の労働拒否」という新たな時代を我々に提示しているのである。ここで彼を糾弾して仕舞えば、従来通り「人間は働かなければならない」という世論が固定化されるに過ぎない。しかし彼の行動を是認すればどうだろう。彼の「働かない」という側面のみを取り上げ、素晴らしい行動であると喧伝すれば、大衆はどのように動くだろうか。「国会議員でも働かなくて良い、故に我々も働かなくとも良い」という世論となり、最終的に労働の瓦解を迎え入れる可能性がある。ごく僅かな可能性であろうとも、否定されるものではない。

 働きたくない者は皆、彼の「働きたくない」という姿勢を評価すべきである。正確に言えば、今回の行動がそのような信条に基づいたものであるように広報すべきだ。仮にも政治家なのだから、そのような信条を持っていると仮託すべきである。働きたくないなら、まず働かない者を支援しなければならない。