2022.11.10
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0.昨日のおさらい
昨日はミスター・ウルフの怒りのうち、スネークに詰問されて「そうかもな!」と怒りを覚えるシーンについて、不安と悲しみ、そして仲間と自分かという動揺と混乱の中で、反射的に反抗したものであると明らかにしました。
そして、彼の怒りの特色として、恐らく彼の「弱さ」を覆い隠すことであると推測しました。
本日は時間が無いので、先に他メンバーのそれぞれの個性について、軽く触れておきたいと思います。
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1.ミスター・スネークの個性
まずミスター・スネークについて。彼の個性は「弱さ」そのものにあると考えます。彼は「弱さ」そのものを顕にして生きているのです。その点、「弱さ」をひた隠しにしているウルフとは異なるところです。
彼は他のメンバー曰く、陰湿で意地悪でこそこそしている、まさしく一般的にイメージされている蛇のような性格をしています。少なくとも、一般的に好まれる性格をしていません。一方、彼は誕生日嫌いを公言し、他のメンバーに対してもそのように振る舞っていながら、いざ写真を見返してみれば嬉しそうに微笑んでいます。
その矛盾が、彼そのものです。彼は本心と異なるように振る舞っています。平たく言えば、素直でない。そして素直でないことはウルフや他のメンバーの発言から明らかなように、既に見破られています。つまり、彼の言動は彼の「弱さ」そのものの体現であり、周囲もまたそれを知っている。だから彼は「愛されキャラ」なのです。
何が言いたいか。彼は一見、他者を遠ざけているように見えて、実は他者を求めているのです。それが「素直でない」という行動原理の特徴です。そしてそれを周囲もまた理解しているので、彼の求めは満たされています。即ち、他者を求めているという彼の姿勢そのものが「弱さ」であり、彼は常にそれを放っているので、結果として彼の特徴は「弱さ」ということになります。
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2.ダイアンの個性
次にダイアンについて。ダイアンの個性は一言で言えば、完全無欠です。私の考える限り、ダイアンには一つも「弱さ」がありません。
まず世間で言われる「ずる賢いキツネ」というレッテル通りに行動しますが、彼女はその際、一点のミスも犯していません。そして本人もそれを認めています。名実ともに認める最高の怪盗が、彼女なのです。
そして彼女は「自身で」その姿の醜さ、悲しさに気づき、「自身で」改心し、「自身で」バッドガイからグッドガイとして生きる道を固めます。恐ろしいことにそれで彼女は、なんと知事にまで上り詰めます。勝手な妄想ですが、彼女の年齢を考えれば、恐らく大統領も夢ではないでしょう。彼女はバッドガイとしてではなく、グッドガイ
ただ、それだけでは完全無欠の証明にはなりません。彼女がまさしく完全無欠なのは、彼女が自身の良い面、悪い面、そのどちらをも愛しているというところにあります。
普通、人間は改心したとき、自身の悪い面を憎むようになります。だが彼女はそうではない。自身がクリムゾン・パウであったときの出来事、そしてクリムゾン・パウとしての彼女の評価を、彼女はとても楽しそうに、かつ誇らしげに語ります。その上で、現状についても極めて前向きに語ります。
それが彼女に「弱さ」の一つもない、最大の理由となります。彼女は自身の実績を愛し、自身の両面を愛しているのです。彼女に付け入ることは出来ません。彼女は自身が最高の人物と思っていて、かつ実際そうであるのだから。
ここで一つ、疑問が浮かびます。「弱さ」を持たない人は他者の「弱さ」を理解できない。それこそ、彼女の「弱さ」となるのでは?
そうでもありません。ウルフが激しく落ち込んでいるとき、彼女はその心情を深く理解し、それに対して適切な言葉を投げかけました。つまり彼女は「弱さ」を理解することも出来ます。厳密に言えば、自身の経験を相手の「弱さ」に投影して、物事を述べることが出来ます。つまり彼女は他者の「弱さ」にさえ寄り添えるのです。
ああ、なんと恐ろしい。ウルフの皮肉も、あながち間違いとは言えません。
彼女の性格については、こうも言い換えられます。彼女は「強さ」の象徴です。その点、スネークとは正反対ですし、ウルフには決して無いものですね。仮にウルフが惹かれていてもおかしくはありません。人間は自身に無いものを持つ人が好きですから。
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3.他のメンバーの個性
他のメンバーについてはあまり深く掘り下げられていなかったので、簡単に。
ミス・タランチュラ。彼女は刹那的でドライです。たぶん。それと言った描写はありませんが、感情を殆ど見せていないので、そんな気がします。
ミスター・スネーク。彼は少し幼く、かつ心優しい人物です。前者の特徴はあらゆるところに散見されました。また、後者については、仲間割れシーンで彼だけ心底戸惑い、かつ苦しそうなことが象徴付けています。
ミスター・ピラニア。基本は喧嘩好きのクレイジー野郎ですが、要点では機転が効いています。歌のシーンとか。それ以外では、本当に喧嘩以外の描写がありません。
そういえば、あそこでスネークが逮捕されていたら、マーマレードの計画は破綻していたわけですよね。やっぱり彼の計画は相当杜撰です。
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4.まとめ
ミスター・スネークは「弱さ」そのもの。ダイアンは「強さ」そのもの。その他メンバーにもそれぞれ個性がある。今日のところはこのような形です。
明日は今度こそ、ウルフの人物像に迫ってみたいと思います。
では。