まどどブログ

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2022.12.01 映画『バッドガイズ』について④ / 日本上映終了と映画の魅力について

2022.12.01

 

 

 本日は映画『バッドガイズ』の日本最終上映日でした。...Maybe.

 10月7日に封切りされてから八週間。私がバッドガイズに出会ってから五週間。今日の上映には立ち会えませんでしたが、多くの感動と勇気を彼らは与えてくれました。もしかしたら、彼らは私の人生すら変えてしまったのかも。心から御礼を言いたい。ありがとう。

 もう二度と劇場では会えないのかもしれないけれど、バッドガイズは永遠に私の隣に在るでしょう。

 バッドガイズ、フォーエバー。

 

追記:ごめん嘘ついた。今週末やるところあるみたいですね。マジでフォーエバーやん。永遠に観続けるから永遠にやり続けてくれ。あと百回はいけるで。

 

  • 『バッドガイズ』の魅力①:上品なテンポの良さ

 さて、上映が終了したからこそ、あの映画の魅力は何であるかについて述べたいと思います。

 第一に、テンポの良さ。起承転結、そのどこにも時間稼ぎ的な要素が見受けられません。次々と出来事が起こって、次々と時が流れていきます。そして登場人物の言動も軽やかで、飽きることがありません。

 そして児童書が原作ということもあって、下品な描写が一切ありません。至って上品に、華麗に、次々と物語が展開していきます。だから不快な気持ちになることがありません。とても快い体験を『バッドガイズ』からは得られるのです。

 この上品なテンポの良さは個人的に、プロメアに匹敵するものだと思います。

 

  • 『バッドガイズ』の魅力②:それぞれ魅せる登場人物たち

 第二に、登場人物の個性。登場人物がそれぞれ面白く、しかもちゃんと劇中で関わり合っている。

 クールでキザで繊細なウルフ。捻くれていながら寂しがり屋で他人思いなスネーク。乱暴で心優しくて臆病なシャーク。クレイジーで陽気で実は歌も上手くて手先も器用で気も利くピラニア。刹那的で皮肉化で努力家のウェブス。とにかく強いダイアン。破天荒で抜けていて強い信念を持っている署長。悪人でありながら何だか憎めないマーマレード

 それぞれバラバラで、皆表裏を持っていながら、そのどれにも強引さがなく、とても自然に、かつ有機的に劇中で絡み合う。その絶妙なバランスが、あたかも違う世界の出来事を眺めているかのような没頭感を私たちに与えてくれます。

 そして何より、みんなバラバラだからこそ、誰かを熱狂的に応援したくなる。

 

  • 『バッドガイズ』の魅力③:情報不足がもたらす世界の広がり

 第三に、情報不足。全然情報が足りていないからこそ、色々と想像が広がり、余計に劇の世界に没頭できる。

 正直言って、あの劇は色々と情報が足りていません。登場人物がああいう価値観を持つに至った背景。登場人物の生い立ち。マーマレードの業績の数々。バッドガイズの軌跡。ダイアンの軌跡。などなど。全然足らないのです。

 足らないのに劇として明快に成立しているのも素晴らしいですが、足らないことそのものにも意味があります。足らないからこそ、自分で考えなければならない。自分で考えているから、余計にあの世界にどんどん入り込むことになる。そうして、私たちはあの世界の住人となっていくのです。

 

  • 『バッドガイズ』の魅力④:ウルフとスネークの濃厚な関係

 第四に、ウルフとスネークの関係性。これはもう、外せないでしょう。ルパンと次元の関係性とは決定的に異なる、とても濃厚で純粋な友愛感情。テーマかどうかは別として、それが劇の序盤から終盤にかけてずっと描かれています。そして終盤では炸裂する。

 ブロマンスがどうとかではなく、あんな綺麗な人間関係をずっと見せられて、魅せられない人が居るでしょうか。あれは現代の消費される人間関係に疲れた人へのエールでもあるのです。どこかでは、きっとああやって生きている人たちも居るんだ、と。

 

  • 『バッドガイズ』の魅力⑤:人生へのエール

 最後に。これはあくまで私の感想ですが、この映画にはどこか、生きることを勇気付けてくれるようなところがあると思います。

 ウルフの葛藤、スネークの古典的すり替え、仲間たちの行動、ダイアンの改心、署長の演説。全部「善いこと」に関することのはずですが、そのどれもが個性的で、バラバラで、それぞれ違っています。同じ「善いこと」をしているはずなのに、全部バラバラなのです。

 最初はそれを「作品のテーマであるはずの善の定義が曖昧で、一貫性が無い」と評価していたのですが、そうじゃないんだろうなと。たぶんこれは、違うことこそが作品のテーマではないのでしょうか。

 つまり違うことこそが大切なのです。それぞれ違うのですから。違っていても、自分の想いを大切にして生きなければならない。それこそがきっと善いことなのです。

 これがきっとこの映画のテーマであり、我々へのエールであると、私は思っています。

 

 ‘Good Deeds. Whether you like it or not.’