2023.02.11(残323日)
- 我々は子供でなければならない
人間において最も優れた時期とはいつであるか。
それは幼少期である。幼少期ほど優れたものはない。自然の一部であることを疑わず、目も清い。自己を愛し、隣人を愛し、動植物を愛し、知識を愛し、他者の教えは素直に耳に入れる。しかし同時に取捨選択にも取り組み、知恵を模索する。そして花が散ることを疑わない。
しかし人間は成長すればするほど、彼の愛していた良心のすべてを失っていく。厳密に言えば、捨て去っていく。自尊心や疑心暗鬼によって自然と自身とを切り離し、知識の吸収を阻害し、他者の諌めを撥ね退ける。不変に固執し、花を憎む。こうして人間は醜く価値のない、代替可能な存在へと変貌を遂げる。
では我々が花を愛し続けるにはどのようにすればよいか。言うまでもなく、子供でなければならない。そして子供であることは案外、難しいものではない。子供の特徴は前述した通りであるし、利害関係の無い限り、子供で居ようと我々の損失とは決して成り得ないのだから。