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2023.02.19(残315日) タコライスという恐怖について

2023.02.19(残315日)

 

 私は今日、あることが恐ろしくて、何も出来なかった。そう、恐ろしかったのである。

 実はこの世界、タコライスという言葉が存在する。しかも、ただタコライスという単語が存在するだけではない。タコライスという用語は実際に使用され、恐ろしいことに、我々の口を漏れることすら有り得るのである。タコライスという文字の列挙が実在するに留まらず、タコライスという字列に符合する音をもこの世界は持ち合わせている。タコライスという記号は、確かにこの世に根を張っているのだ。

 驚くなかれ。しかし諸君が驚くのも無理はない。タコライスという単語はその実、何ら意味を持っていない。

 タコライスを分解したいと思えば、一般的に「タコ」と「ライス」とに分解されることである。そのはずだ。タコライスという文字であり、かつタコとライスとがそれぞれ独立した単語として知名度を得ているのであるから、タコライスも当然、「タコ」と「ライス」とに分解されるべきであり、実際、分解することは可能である。

 そして分解したのであるから、タコライスの意味は当然「タコ」と「ライス」に関連するものでなければならない。この場合、一般的に思い浮かべることとしては、タコのライスであろう。即ちタコ——それも日本において一般的に食用されるマダコ、学名Octopus sinensis——を主として調理されたライス料理——ここでのライスとは日本において一般的に食用されるジャポニカ、学名Oryza sativa subsp. japonicaから収穫される米のことを意味している——であると解釈されるべきである。要するに、タコのライスだと考えるのが自然である。

 では、実際のタコライスは?

 

 恐ろしい。実態と名称が乖離しているものほど恐ろしいものはない。あのようなものを日常的に食しているものもまた、同様に恐ろしい。彼らはきっと、餅をハッピーセットとして食しているに違いない。