まどどブログ

普通の二十代前半男性が、夢を見るか、破滅するか。そんな人生ドキドキギャンブルの行く末を提供しています。

2023.11.04(残57日) 健忘

2023.11.04(残57日)

 

 十一月、30日のうち4日の経過。残り26日。86.7%。

 一年、365日のうち308日の経過。残り57日。15.62%。

 

●恋の気配

 風が吹いている。北からやってきた草原の風が、このコンクリートの街にも押し寄せている。

 雲が靡いている。空気の塊に圧され散らされ、かすかに残った細くて白い雲が、コンクリートの街を漂っている。

 月が出ている。太陽系に属する惑星も衛星も同じだけ太陽に愛され太陽に照らされているというのに、この衛星だけが艶に星々を切り取って、コンクリートの街を見つめている。

 映画を観ている。『私を野球に連れてって

 ……このジーン・ケリーは誰だ?

 一週間は経っているはずだ。日月火水木金土。私は確かに、一週間前の日曜日に居たはずだ。一週間前の日曜日に、私は真っ白な座席に向かって『巴里のアメリカ人』を観ていた。そして風を、雲を、月を、私は確かに目撃した。私は秋の夜長というものを感じていた。それは一週間前のはずであった。

 なぜ、私は土曜日という今日を迎えているのであろうか。なぜ、私は『巴里のアメリカ人』が昨日のものであるように思えて仕方がないのであるか。なぜ、月があまりにも欠けているのか。秋はどこへ行った?

 月火水木金、私はどこへ行った?

 

 愚かな私よ。私を赦してくれ。