まどどブログ

普通の二十代前半男性が、夢を見るか、破滅するか。そんな人生ドキドキギャンブルの行く末を提供しています。

2023.11.11(残50日) 労働の拒絶について

2023.11.11(残50日)

 

 一年、365日のうち315日の経過。残り50日。13.70%。

 十一月、30日のうち11日の経過。残り19日。63.3%。

 

●Dawn

 記憶とは、意志の子である。

 朝、べにいろの世界。天女の衣のように天高く昇る息を吐きながら、私は本を読む。アニメを観る。ドラマを観る。こうして電車は私を運ぶ。

 夜、うるし塗りの世界。黒煙のように苦しい息を吐きながら、私は本を読む。アニメを観る。ドラマを観る。こうして電車は私を運ぶ。

 こうして私は一日を終えた。今日もたくさん本を読んだなあ、と夢に語らいながら。

 

 これは平日の出来事である。確かに私は労働者であり、オフィスにまかで、クソをするより意味のない作業に従事している。しかし、私はこれを覚えていない。労働は消えた。

 私は労働の前と後で、間断なく、労働による中断を意に介することすらなく、無意識の中で、私は本を読んでいる。本を読むことによって、そして本を愛することによって、労働は持続した意志としての形を失う。意志を失えば、記憶は瓦解する。記憶さえなければ、それは無いに等しい。私にとって既に労働は形を持っていない。私から労働は排除されている。

 記憶とは意志だ。あれがつまらなかった。あれが苦しい。あれを避けたい。やめたい。こういう記憶はすべて、それを刻んでいなければならないという意志に基づいているがゆえに、遺っている。いわばゲロの臭いでまたゲロするようなものだ。ゲロを忘れて仕舞えば、ゲロはしない。

 朝、夜。そしてわたし。わたしの意志に労働はない。わたしはきれいなまま、べにいろの世界と、うるし塗りの世界で、揺蕩っている。

 わたしは終に労働を拒絶した!