まどどブログ

普通の二十代前半男性が、夢を見るか、破滅するか。そんな人生ドキドキギャンブルの行く末を提供しています。

2023.11.29(残32日) 降伏

2023.11.29(残32日)

 

 十一月、30日のうち29日の経過。残り1日。3.3%。

 一年、365日のうち333日の経過。残り32日。8.77%。

 

●Let Go

 いつもこの時期になると思い出す。

 四月一日。私が決定的に死んだ日のこと。

 花粉が飛んで人々の鼻腔を擽って楽しませる季節。桜が吹かれて飛んでいく季節。虫も鳥も飛んでいく季節。命の季節。

 そんなのは嘘だ。だって私の目はあの日以来、ずっと死んでいる。確かに私はまだ生きているのかもしれない。労働なんて些細なものだと割り切って仕舞えば、なんてことはなく、一日を終えることも出来ているのかもしれない。

 そんなのは知らない。そんなのは私の魂ではない。労働から私を切り離したとして、では労働に身を投じている私は誰なのか? 労働を終えて疲れている私は一体、誰なのか? 私ではない私が昨日の私の睡眠不足によって満足に活動できなかったことをどうして私が覚えているというのか?

 私が引き裂かれる。同じ月を見ているはずなのに、満月は去っていく季節を厳かに見守っているというのに、私の目にはその月が見えていない。闇も光も、私にはもう、なんにも見えていない。明暗の刺激でしかない。そこに意味はない。どこにも意味はない。私は死んだ。

 ああ、二年前と同じことを言っている。もう死んだのだ。生き返ることもない。そして死にながら生き永らえることほど、残酷なことはない。

 漆喰が脳を塗り固めている。

 

 嗚呼、時々思うのだ。

 私は負けたのではないか。

 この数年間、悪戦苦闘して、ようやく理解したことがある。私はあまりに不器用だ。睡眠がすべてを優越する。食事すら、睡魔の前には無力だ。私は飢えながら眠ることが出来る。つまり眠らなければ最初から何も始まらない。

 労働しながら眠り得るか?

 遅かった。私にとって、何よりも大事なのは眠りであった。そして労働者に眠りは与えられない。眠りが無ければ何も生まれない。昼寝すら出来ない。ああ、私は愚かだ。蔑んでくれ。言い訳ばかりに逃げる私を。それでも私は眠らなければいけなかった。眠ることが出来るうちに、やるべきことを為すべきであった。現状を疑わず、私を疑わず、ただ己だけを信じて、眠って動くべきであった。

 黙ってくれ。分かっている。逃げている。私は苦悩から逃げているのだ。その程度の人間だったのだ。眠らなければ始まらない、そうやって、ああ、もう、だめだ。

 今日だって、私は生き返る、そう宣言して締めくくるつもりだった。私はいつだって蘇ることが出来る。諦めるわけにはいかないんだ。じゃあ、如何にして君は現状を打開するつもりなのか。四年間、偉そうなことを言って、それでもなお打開できなかった私を、君はどうやって破るつもりなのか。

 仕事を辞めるのか。どうせ辞めやしないだろう。君は愚かだから。いくら現状が苦しかろうとも、死んでいるとしか思えないような日々であっても、この二年間を思い起こそうとも、どうせ、君は進まない。もはや停滞している。停滞した人間は死ぬしかない。

 死んでしまえ。命を絶ってしまえ。ああ、どうせ死ぬことすら出来ないんだろう。臆病者め。臆病者に語ることはない。

 消えろ。お前は私に必要ない。

 

 私は負けたのである。すべてに。

 いくら観察眼に優れていようと、河の流れが決して仕舞えば、カエサルのように死ぬ。

 負け犬は失せよ。臆病者に生きている資格はない。

 

 死にたくなければ寝て動け。

 ……なんて、もう何度言ったことだろう。どうせ今回も同じことだ。さらば、大地よ。願わくは狂気に陥らんことを。私はオオカミのまま死にたい。